弘法さん と私

 

M・清子

 


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心魅かれた幕末から昭和初期の市松人形たち

  江戸後期の三つ折れ人形、明治、大正の抱き人形、昭和初期の市松人形、豆人形。これらの人形に作者の名が残っているのは、ほんの一握り。人形は作者名に拘るものでは無いと私は思っています。人形の命はやっぱりその顔にあります。じっと見つめているとそれぞれが味わい深く、静かに語りかけて来るような口もと、微笑んでいるような眼差し。職人たちが人形にこめた思いが伝わってきます。そしてその心と技に魅了されます。人形たちは今を確かに生きています。次なる世代に受け継ぎたいと強く思います。

 

 

三つ折れ人形(永徳斎)江戸

永徳斎作の人形の中でも特に古い作と思われる。美しい気品溢れる表情を持つ。耳の切り方 口元 歯の入れ方 手の表情 爪きり等 美しい。衣裳は有職小葵紋様、着物 袴も同じ柄で作られている。大阪南の商家に所蔵されて居た物。38センチ

共箱-東京市松人形 衣裳オリジナル

永徳斎

 京の人形師 雛屋次郎左衛門が宝歴十二年に江戸へ下がり、日本橋十軒町で人形店を持ち次郎左衛門雛を売り出した。永徳斎はこの店を江戸時代(確かな年代不明))に継ぎ市松人形の名品を世に送った。

この永徳斎も雛の面影を残しているように私には見える。

           2006.9.9追加


三つ折人形(江戸) 

  江戸の三つ折れのなかでも特に良く出来たもの。木彫に胡粉仕上げ。趣深い表情にはどんな想いがこめられているのか、読み取るのが難しい。

  着物は見る影も無く傷んでいたので裏木綿、裏無地江戸ちりはそのまま使い表地のみ明治初期のちりめんby清子。37cm

三つ折れ姉さま人形(江戸)

  顔は、とろりとした膠で溶かれた胡粉の艶やかな白、きめの細かさ、日本髪の美しさは当事の女性を彷彿とさせるものがある。その表情も優しい。口元に江戸期特有の緑色(緑青)が見られる。

 江戸縮緬の 着物はオリジナルではなく後で着せられた物。 37

 


三つ折れ人形(明治)

 初代永徳斎

 京都の雛屋次郎左衛門の流れを引くと云われる、永徳斎らしい上品な個性が良く現れている

  明治の渋い縮緬の着物を着せる。内袖に使ったのは江戸ちりめん絞り染め

(超薄手)by清子。 24

抱き人形(明治)

  十一代伊東久重

十一代久重はさまざまな表情の抱き人形を作っている。男女の区別が付きにくい作。

  初代は1767年生まれ、以後当代12代目は京都 金閣寺近くに在住。御所人形、高盛金彩絵を制作。

 着物は別染めオリジナル。 43

 


 

 

抱き人形(明治)

 十一代 伊東久重

 一点を見つめる秀逸な眼差しは特に良く出来ている。

 着物オリジナル。38

抱き人形(明治)

 

あどけない柔和な表情。額よこの髪の毛が良く書けている、この大きさが可愛い。人も物も穏やかな時代だった事を物語っている様だ。着物オリジナル。

35cm

2007.12.14

 


抱き人形(明治)

  落ち着いた気品のある表情は明治の抱き人形の代表格。  ちりめんの着物 絞りの掛け物by清子。 63

 京都の門跡寺院、大聖寺所蔵の”春永さま”と呼ばれる人形と同作者と思われる。門跡寺院の所蔵品は時の天皇から下賜された品々で作者の名前はすべて消されているとの事、確認は出来ない。

 

市松人形(大正)

東雲

  幼さを美しく表現している。

 エプロンは古いジョージェットの子供ワンピースから作った。ちりめん着物エプロンby清子。 63

 

 


抱き人形(明治)

竹内益次郎

  江戸 明治の抱き人形が大正の市松人形に繋がっていく方向を見せてくれる。

  極めて優しい美しい表情。益次郎の世界だ。

着物オリジナル、被布はちりめんBY清子  51

抱き人形(明治)

 寶玉斎 やまかさね吉 東京 吉徳

 抱き人形と市松人形の中間のような人形。

 胡粉の白さ きめの細かさ艶やかさは際立っている。顔の表情がとても個性的で上品さが漂っている。

着物オリジナル。 43

”おゆきさん”と名づけた。(名前を付けたのはこの子だけ。)


 

抱き人形(大正)

  美男子の代表のよう。

美男の雰囲気にぴったりの淡い色目のちりめんの着物by清子。 43

市松人形(大正)

二代瀧澤光瀧斎

  昭和初期の答礼人形制作で二位を確保したと言われ、又その頭の原型を多数提供したと言われる光瀧斎の大正期の作としてその存在感は他を寄せ付けない物がある。

 ココア色の江戸ちりめんby清子 63


 

市松人形(大正)

二代瀧澤光龍斎

 光龍斎の美しさを余すところ無く見せてくれる気品に満ちた作。

 抑え目の美しいちりめんの着物BY清子 63

 

市松人形(大正)

 瀧澤光瀧斎作。

前出と並ぶ作。すこし幼さが見えるか?とても色白。京都四条御旅町 けうゑや並河人形店の銘紙付き。美しい江戸縮緬着物by清子。55センチ

NEW(09.6.17追加)


 

市松人形(昭和)

松龍斎 太田徳久

答禮人形作者

  この作者にはこの一体しか出会っていないが、なかなかしっかりした美しい顔立ちだ。

錦紗の可愛い着物by清子 38

 

市松人形(昭和)

岡本玉水

 玉水は衣裳人形を主に手がけている、市松人形の製作数は少ないと言われている。貴重な一品。

紋錦紗の地色の美しい着物by清子 38


市松人形(昭和)

二代瀧澤光瀧斎

 答禮人形作者

  とてもすっきりした一対。小さいながら、なかなか存在感がある。男の子が特に可愛い。

 女の子は紋錦紗、男の子はちりめんの着物羽織by清子。男の子帯は博多、懐中物、提げ物など。38

市松人形(昭和)

丸平 大木平蔵人形店

 その眼差しは秀逸、目元 口元の作りが丸平のなかでも特に美しい。

昭和七年に私の祖母から亡き姉に贈られた思い出の品。(亡き祖母は、京都三条室町に在住していた)

 ちりめんの着物by清子。”お袖の襦袢の布は私が子供の時に着た襦袢から作った、懐かしい。”43


市松人形(昭和)

丸平 大木平蔵人形店

  おっとりとした表情。

 紋錦紗の着物by清子。帯留は昭和初期の日本のトンボ玉。 43

 ”昭和初期の答禮人形製作にあたって京都に依頼された7体はすべて、丸平 大木平蔵人形店扱いであった。京の老舗である。”

 

市松人形(昭和)

春水(光司)

 個性的な表情でその存在を主張している、春水の作品の中でも特に美しい表情を持っている。又少し肌色を付けた胡粉も艶やかで美しい。

着物 オリジナル 43

 


市松人形(昭和)

春日

 優しいおとなしい、下膨れの顔が可愛い。

 作者号によせて地味な色目の桜の模様の着物、帯も桜の刺繍、帯留も桜。拘ってしまった。by清子。43

市松人形(昭和)

玉翠

答禮人形作者。

 少しもの哀しいような、儚さを漂わせている顔立ち。

 着物オリジナル。被布ちりめんby清子。43

 

 


 

市松人形(昭和)

顔の胡粉が特に美しく、色白でぴかりと光っている。見る角度で微笑んでいるように見える。作者の力量を思う。

 顔の色と良く合ったピンクの紋ちりめん着物by清子。43

 

市松人形(昭和)

桜國

 ふくよかで何かを秘めているような上品な表情。

錦紗ちりめん着物by清子。 43

 

 

 


 

市松人形(昭和)

初代 松乾斎 東光

 答禮人形作者。

 いかにも東光と言う美しい子。睫毛付き。

 着物オリジナル。 55

 

市松人形(昭和)

二代瀧澤光瀧斎

 一対として作られたかは定かでないが顔の色は良く合っている可愛いペアー。男の子 睫毛付き。

 女の子錦紗着物by清子、男の子オリジナル。 55

 


 

市松人形(昭和)

二代瀧澤光瀧斎

 はっきりした顔の子。 紋ちりめん着物by清子。 55

 

市松人形(昭和)

二代瀧澤光瀧斎

 堂々とした光瀧斎の代表的な子。

 ちりめんの着物by清子。 68

 

 

 

 


市松人形(昭和)

初菊

 この大きさになると顔に引き締まりが無くなりがちだが、この子はおっとりした良い顔立ち。  江戸ちり特有のココア色の着物by清子。

68

自由人形(昭和)

手足の関節に加え首も動くように作られていて、自由にポーズを作ることが出来たことから自由人形と呼ばれた。昭和十年頃の作。洋服が似合うと言われるがこの子は着物にエプロンが可愛い。

 着物オリジナル、エプロンby清子。38

 

 


市松人形(昭和) 

福沢大観 答礼人形作家

昭和初期の市松人形の中でも、特に個性的な表情を持っている。その表情と髪形がとても良く合っている。(東京浅草仲店 大和屋 和田の印がある)。表情が可愛いので時代が合っていない事を承知でとびきりの江戸ちりの着物を着せた。BY清子。43cm

2005.11.2追加

 

市松人形(瀧澤光瀧斎) 答礼人形作者

 いかにも光瀧斎と云う子だが上品な可愛いさを持っている。2006年の出会い。

大観作に着せたと同じ江戸ちりの着物を着せる。白い肌に着物の色が映えて良い。着物BY清子 43センチ。

2006.4.5 NEW

 


 

市松人形(初代松乾斎 東光)

答礼人形作者

東光のなかでも特に美しい表情を持つ。目の切り方、口元など。着物by清子。43センチ

2006.4.5 NEW

 

 

市松人形(昭和)

まるで何処かの若旦那のような衣裳、雰囲気、良く出来た人形。胸元BY清子。着物オリジナル。38cm 2006.2.4

 

 


豆市松人形-袖市松 

豆市松の一部紹介。江戸ちり着物by清子 大きさ 大 12cm 小 4cm

2006.2.4

豆市松人形

京都四条御旅町 けうゑや並河人形店の銘紙付き。。丸平に並び質の高い人形を売ったと言われている。あくの無い、ほのぼのとした顔が独特。裸で見つけて江戸ちりで着物by清子。

大きさ  11、5センチ

NEW(09.6.17追加)

  


超豆市松人形

超ミニサイズ。江戸ちりで爪楊枝を使って着物by清子。大きさ真ん中の子 4センチ 

NEW(09.6.17追加)

立雛

 

古風な立雛。目が涼やか、江戸末と思われる。

箱の大きさ  16.5× 24.5

2007.4.24

 

 

  


豆市松人形(三つ折れ)

豆市松で三折れは珍しい。良い顔をしている。黒留袖よりby清子

大きさ 7センチ 

NEW(09.6.17追加)

 

ほほえみの市松人形

ちりめん着物by清子 大きさ 18センチ

NEW(09.6.17追加)

 

 

 

 


洋服の豆市松人形

手の表情があまり美しいので、その手を強調するためワンピースを着せてみた。生地は日本の古い物、靴下もメリヤスで縫って紅茶で染めた。

大きさ 17センチ 

NEW(09.6.17追加)

大正ロマン モガドール

大正ロマンを彷彿とさせるモガドール。80年以上前の物とは思えない綺麗な状態。10等身以上の作りだが全体として良く出来上がっているのは、作者の力量と言うべきか。大正と言う時代を改めて見直す、、、。六人姉妹となる。向かって右からローズマリー 二人目名前ナシ。セニョリータ パリゼット ジャンダーク ウ井ナメーデル。

大きさ ローズマリー 13センチ

NEW(09.6.20追加)

 


「軍人人形」(昭和初期)平田玉陽

 兄平田郷陽 陽光と共に人形を作ったが完全に職人に徹した玉陽は自分の名を刻むような人形は作っていない。軍国少年を題材に採った「軍人人形」を残し、年若くして戦地に果てた。玉陽の置土産といわれる。現存する数は極めて少ないと言われている。(人形今昔 竹日忠芳ー北辰堂 P79)11

福助さん(明治)

張子に胡粉仕上げ。首を振る可愛い作り。

 京都縄手通り四条上がる、旅館 清水房の玄関の鴨居の棚に飾られていた。顔頭はすっかり汚れてしまっていたが丁寧に磨いて何とか鑑賞に堪えられるものとなる。

座布団を何枚も敷いている、大切にされていた事が忍ばれる。 16.5

 

 

 

 


人形たちの肌には、膠で溶かれた薄い胡粉が幾重にも塗られています。土台をなす素材は江戸時代のものは高価な木彫りが多く一品物の高級品。明治時代になると木型の上に幾重にも和紙を貼り重ねくり貫いた張子。大正、昭和になると桐の粉を麩糊などで練った練塑(とうそ)。その素材にも時代の特徴がはっきりあります。

 

  人形の着物―人形が作られた時に着せられていた衣裳は、その保存状態により経年の味わいを加えて美しく今に残る物もありますが、その殆どは退色、劣化があり哀れな状態になっています。私は古い時代の裂を捜し求め、着物を縫いました。人形の着物も似合う、似合わないがはっきりとあります。調和を考えてふっくらと着せ付けました。

 

 人形の着物にも、前幅、おくみ、後ろ幅 襟肩あき、くりこしなど、普通の着物と同じように伝統の寸法があります。袖だけが大きく(幅、丈)可愛さが強調されています。

 人形の着物は100枚以上縫いました。古い時代のちりめんは柔らかく暖かで手の中に溶け込んで来るようで楽しい心温まる仕事でした。

 

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